私がクリスマスデートをしようと頼んだのは、ほんの数日前。
私は、幼少期からずっと傍に居てくれる彼が大好きだった。
2歳程ヴィルの方が年上だけど、そんなの少しの誤差に過ぎない。
好きなことには変わりないのだから。
「デートと言っても、付き合うことはできませんよ」
「えぇ〜⋯ケチ」
「そうは言いましても」
困ったような苦笑いを浮かべ、頭に手をやる姿がまた愛おしくて、もっと好きになってしまう。
「ね、ヴィルは私の事好き?」
「好きですよ」
少しも考えず即答され、少しドキッとしてしまったが、それは“Like”の意味も含んでいるのではと考えてしまう。
そのうち朝食も終わり、結局デートの件の答えは聞けないままだった。