-コンコン


「失礼します、お嬢様」


「⋯うん、お早う」


今日も、いつもと何ら変わりない朝がやってきた。


毎朝、決まった時刻に執事のヴィルが、朝食と洗顔用の水とタオルを持って来る。


「どうですか、昨夜は良い夢は見られましたか」


「んー、まあまあかな。」


タオルで顔をぺたぺたと洗っていると、ヴィルが質問を投げかけてきた。


「⋯そういえば、明日はクリスマスですね。ご予定は?」


「今のところ、ないよ。てかさ、クリスマスデートの件考えてくれた?」


デート、ですか⋯と、顎に手を当てて考え込む。