「男なのにぃ、女の子の格好してるのっ。おかしくなぁい?」


少し顔が笑っている。きっと嬉しいんだろう。私が孤立するのが、だから


「それって差別じゃねーの?」


そう言った、大内くんにびっくりした。今までそんなこと言ってくれる人いなかったから。みんな、気持ち悪いとかマリアに従わないといけないとか、そんなので私の味方をしてくれた人はいなかった。


「えぇ?差別?じゃないよぉ」


大内くんが味方してくれなかったのに、びっくりしたのか、少し戸惑っているマリア。


「もういい。行こうぜ、弥生」

そう言って、私の手を掴み、私を引っ張って教室から出た。