「おはよう、お母さん」
「起きてたんだ。早くご飯食べて学校行ってちょうだい」
私の名前は、紅 弥生(くれない やよい)今年で15歳になる。
「ママーおはよっ!」
リビングに元気良く入ってきたのは、私の妹の紅 皐月(くれない さつき)今年で13歳になる。
「"お兄ちゃん"もおはよっ!」
にこっりと笑ってそう言った、皐月。
「皐月、何回も言ってるけど私のことはお姉ちゃんって」
「なぁに?お兄ちゃんっ!私も恥ずかしいんだから、いい加減女子の制服で学校に行くのやめてよね」
私の言葉に被せるようにそう言ってきた。
「そうよ。ママも恥ずかしいんだから。いつも言われるのよ、弥生くんってなんで女の子の服着てるの?って。それを言われるママの気持ちもわかってちょうだい」
「うん」
誰も私をわかってくれない。私は、男なんかになりたくない。