「俺は、正直怖かったんだ。誰も俺のことを知らない中でやってけるのか。ただ、そこに弥生がいた」 私の手を優しく掴み、そう言った。 「最初は仲間を見つけた。そんな気持ちだったけど、どんどんそれが膨らんでって、もう抑えきれないところまで来ているんだ」 秋の言葉の意味がわからず、首を傾げた。 「俺は弥生のためだったら、なんだって出来るよ」 そう言って、掴んでいた私の手にキスをした。 太陽が燦々と輝いている暑い日に、屋上で二つの影が重なった。