教室に戻ると、私の机や椅子は綺麗にしてあって、秋がいた。
「秋、おはよ」
何も悟られないように、自然に声をかけた。
「はよ。ってなんでジャージなんだ?」
「朝、お花に水をあげているおじさんにかけられちゃって、」
マリアのことは、応援してくれるだけで十分だから、これ以上心配かけたくない。
「そーよ。弥生くんってドジだよね〜」
わざわざマリアが話に入ってきた。
「川崎、お前だろ。弥生がジャージに着替えた理由」
今まで、秋は「自分が突っ込む問題じゃない」と言って、私もそう思っていたから、マリアのことは手を出さないってなっていたのに、秋がマリアに話しかけたのは初めてだった。



