教室に戻るとすぐにマリアが話しかけてきた。
「弥生くん、秋くんと何話してたの?」
くん付けで呼んでくるのはいつものこと。チラリと秋を見ると、言ってやれ、そのように目で言ってくる。
「あ、あのさ、川崎さん。くん付けで呼ばないでくれる?」
マリアは少しポカンとして、笑い出した。
「何言ってんの?急にさぁ、あんたは男なんだから、弥生くんって呼んでるのっ!」
ここで挫けてたら、ずっとこのままだ。
「わ、私は!男じゃないから」
ここまで言い返してくるとは思ってなかったのか、マリアたちの笑いが止まった。
「キモ。そういうの、しらけるんですけど。行こ」
そう言って、マリアは取り巻きを連れて教室から出て行った。



