お、おすすめされた?
誰に?
何だか心がザワザワした。
「えっと、一巻は貸し出し中です」
「えーそうなんだ。君が読んでるのは?」
「四巻で最新刊です」
「へぇ〜、今四巻まで出てるんだ」
「……よかったら私の貸しましょうか?一巻あるので」
「えっ」
――あっ!
やばい、つい出過ぎたことを言ってしまった……。
「持ってるの?」
「家にですけど、あります」
「ほんとに!?貸して欲しいな!」
……ああ、キラキラした笑顔が眩しすぎる。
「わかりました、明日持って行きます」
「ありがとう!俺の下駄箱の場所わかる?そこに入れておいてくれると嬉しいな。
えっと、君は……」
「2年5組の天川彗です」
「…………すい?」
「は、はい」
名前を呼ばれただけなのに、急に体が熱くなって心臓がバクバクとうるさくなる。
星夜くんに名前を呼ばれちゃった……っ!!
「わかった、天川さんね。ありがとう!すごく助かるよ」
「い、いえ……」



