秘密のメッセージを送った相手はスーパーアイドルでした。



 今日は図書委員の当番だった。
 今日もそんなに人が来てないので、カウンターに座ってスピカ姫の続きを読むことにした。

 悪魔に連れ去られて無理矢理悪魔のお嫁さんにさせられそうになるスピカ姫を、リゲル王子が助けるんだよね。

 リゲル王子がとにかくカッコよくて、二人の距離が縮まる胸キュンシーンだ。
 挿絵もすっごくかわいくてドキドキしちゃう。


「――あの、」

「……あっ」


 うわ、私ってばまたやっちゃった!

 また読むのに夢中になって図書委員の仕事サボってたよ……!!



「ごめんなさい!今……」


 ……えっ。


「っ!! せ……っ、」
「しっ!」


 星夜くんっ!!
 そう叫びそうになったけど、グッと自分の手で押さえる。


「星夜〜〜??」
「星夜くんどこ〜〜??」


 廊下から星夜くんを探す女子の声が聞こえた。

 星夜くん、見つからないようにこっそり来たんだ……。
 それなのに私ったらバカ。