それでもキミと、愛にならない恋をしたい


 小学校の頃から、お父さんは学校行事に参加する際、どこまでも全力投球だ。

 小学二年の頃、親子競技の大玉転がしに参加したお父さんがひとり白熱し、私を置いてひとりでゴールして、お母さんにこっぴどく叱られていたのが忘れられない。

『洋ちゃんが全力で楽しんでどうするの!』
『だって、ついー』

 結局、叱られて泣きそうなお父さんの顔を見て私が笑って、お母さんが豪快に笑ってその場を締める。いつものパターンだった。

 五月にあった体育祭は父兄の見学が認められていたけど、ほとんど来る人はいないと聞いていたし、真央さんとふたりで来られたらどうしていいかわからなかったから、絶対に来ないよう釘を刺したのだ。

「親なんてほとんど来てなかったよ。来ても参加する競技もないし」
「菜々の勇姿を見に行きたかったんだよ。心配しなくても、三者面談ではしゃいだりしないから大丈夫」
「それは心配してないけど」
「それよりテストは? その結果を見て話すんでしょ?」
「うん。今回はたぶんできてると思う」

 先輩に勉強を教わった、とは言わないけれど。