私はスクールバッグの奥底から、提出日間近のプリントを取り出した。ずっとどちらに渡そうか悩んでいたけど、ふたり揃っているのならちょうどいい。
「あぁ、三者面談か。この前受験がおわったと思ったのに、もう進路を聞かれるのか。最近の子は大変だね」
「あの、ごめん。出すの忘れてて、明後日までに提出なんだけど……来れる?」
どちらの顔も見ずに、誰が、とも言わず尋ねる。
だって、お父さんに仕事を休ませるのは申し訳ないと思う一方で、真央さんに来てもらうのは気まずいと感じているから。
「十二月の頭から中旬までの間か。うん、大丈夫。仕事の調整がつくようにしておくから、どの日程でも大丈夫に丸つけて出していいよ」
私の葛藤をよそに、プリントを見たのはお父さんだけで、隣に座る真央さんに相談することもなくそう言った。
「お父さんが……来るの?」
「そのつもりだけど。なんで?」
「ううん。学校の行事で仕事休んでもらうの、中学で終わりだと思ってたから。ごめんね」
「なに言ってるんだ。高校は授業参観もないし、体育祭とか文化祭にも来なくていいなんて言うから寂しいくらいだよ」
私を気遣っているわけではなく、本気でそう思っているお父さんが大人気なく拗ねた口ぶりで抗議してくる。



