この地域のシンボルとも言えるこの観覧車は、昼間はランドマークを一望でき、夜は輝く夜景とイルミネーションを堪能できる、デートスポットの定番中の定番だ。
そこに、ふたりで?
それって、どういう……?
はてなマークだらけの脳内は、今にも思考停止してしまいそうなほど混乱している。
いや、深い意味はないのかもしれない。
先輩は遊園地ではしゃぐタイプではなさそうだし、大人数で遊園地に行くのが苦手なだけかもしれない。ただ観覧車に乗りたくなって、目の前にいたのが私だったってだけかもしれない。
楓先輩ほどモテる先輩が、私を〝そういう意味〟で誘うわけがない。
思いつく限りの期待しない言い訳を並べてみたけれど、そのどれも効果がなかった。
だって、ふたりきりで遊園地の観覧車に乗りに行こうと誘われたら、それはもうデートだと思う。
どれだけ傷つかないようにと予防線を張ったところで、心は勝手に期待してときめいている。



