それでもキミと、愛にならない恋をしたい


 幼児向けのアトラクションから、大人も楽しめるジェットコースターまで揃っていて、近くにはショッピング施設があるため、一日かけて楽しめる場所だ。

「いいですね! みんなで打ち上げしたいです」

 賛同した私に対し、楓先輩がなにか言いたげな顔をした時、「ただいまー」とドリンクを持った京ちゃんと日野先輩が帰ってきた。

「菜々の分も持ってきちゃった。レモンティーでいい?」
「うん、ありがとう」
「楓はコーラでいいよな」
「あぁ。サンキュ」

 私はテーブルの横に立ったままの京ちゃんから、楓先輩は日野先輩からグラスを受け取る。

「そうだ、ねぇ京ちゃん」

 先輩が提案してくれたばかりの遊園地の話をしようと開きかけた私の唇を、隣から伸びてきた長く綺麗な人差し指が止める。

 触れるか触れないか、ギリギリのところでスッと引いていった指。これまでにない距離で楓先輩を感じて、たった一本の指でじわりと体温が上がった。