それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「詰め込みすぎた? こう毎日苦手な数学ばっかりじゃ、集中力も保たないか」
「いえ、とっても助かりました」

 今はつい考え事をしてしまったけれど、実際ひとりで机に向かうよりも遥かに勉強の質が上がった。

 公式を覚えるだけで必死だった苦手な数学も、なんとなく解くコツみたいなものがわかってきた気がする。

 そう感謝を伝えると、先輩がにやっと口の端を上げて笑う。

「じゃあ、テストの点、期待してるな」
「あぁっ、待ってください、それはプレッシャーが……!」
「自分でハードル上げたんだろ」

 可笑しそうに肩を竦めたあと、ふとなにかを思いついた先輩が、スマホを取り出して操作しだした。

「じゃあ、テスト頑張ったら、これ乗りに行こう」

 向けられたスマホ画面に映っていたのは、関東屈指の観光地にある遊園地の大観覧車。

 この辺りに住んでいれば小学校の遠足で訪れたという子は多いし、私も実際、家族で遊園地に行ったことがある。