それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「あ、いえ。京ちゃんと日野先輩、かなり仲良くなったなと思って」

 親しげな仕草に鼓動を高鳴らせながら答えた。

「そうだな。あれだけお互い好きだってわかりやすいんだから、あとは日野が男を見せれば解決だろ」

 楓先輩の言う通り、どうしてお互いに気が付かないんだろうと疑問に思うほど、ふたりは感情が顔に出ている。

 以前、学校のアイドルと呼ばれるほどモテる日野先輩が誠実な人なのか心配していた時期もあったけれど、この一週間一緒に過ごしてみると、京ちゃんのことがとても好きなんだと私にもわかるほど彼女に向ける視線は甘い。

 ふと、自分を顧みる。

 もしかして、私もあんな顔をして楓先輩を見ているんだろうか。

 京ちゃんだって、私が自分の気持ちを自覚する前から楓先輩を気になっていると言い当てていたし。どうしよう、私の気持ちがダダ漏れだったりする?

 慌てた私は先輩の言葉に曖昧に頷きながら、みんなで注文した山盛りポテトに手を伸ばす。このままでは心の奥に隠してある先輩への恋心を見透かされそうで恥ずかしい。それを誤魔化すつもりだった。