それでもキミと、愛にならない恋をしたい


 三者面談というワードに、思わず肩に力が入る。けれど「よし、できたよ」と京ちゃんが私の背中をたたき、会話が途切れた。

「うん、可愛い。菜々はいつも髪をおろしてるから、かなり新鮮だね」

 鏡越しに目を合わせていた京ちゃんから、正面の自分へと視線を移す。

「わぁ……! 可愛い!」

 もちろん自分が、ではなく、髪型が。ルーズな編み込みをアップにした、ふわっとした印象のヘアスタイル。前髪や顔まわりもふんわりと巻いてくれたおかげで、いつもの直毛とは違って女の子らしい柔らかい雰囲気になった。

「ありがとう、京ちゃん」
「こっちこそ、日野先輩と一緒に勉強する機会を作ってくれてありがとう」

 お互いにお礼を言い合い、勉強も恋も頑張ろうと気合いを入れた。

 昇降口で靴を履き替えて南の別館へ向かう。図書室へ入ると、テスト週間だけあっていつもより多くの生徒がいたけれど、それでも机はぽつぽつと空いていた。

 私と京ちゃんは四人がけの机に並んでバッグを置き、それぞれ苦手な科目の問題集などをして過ごす。