その真剣な眼差しに誘われるように、私は心の内にあった思いをぽつりぽつりと零していく。
「京ちゃんを……信頼してないわけじゃないのに、話せていないことがあるんです。言ったらどう思われるかな、とか、こんな話聞きたくないかもな、とか。考えたら上手に伝えられなくて」
午後八時。陽が完全に落ちた薄暗い周辺を、大きな満月が照らしている。
日中はまだ暑い日もあるけど、この時間になると心地よい風が肌を撫でていく。
月明かりの下、向かい合って立ったまま、先を促す先輩の優しさに甘えて私は弱音を口にしていた。
「恋をしている京ちゃんを応援したいのは本当なのに、私は……自分の気持ちに嘘をついて、本音を話せなかった。京ちゃんは聞こうとしてくれたのに、それに応えられなかった。その噓がきっと、京ちゃんを傷つけちゃったんです」
そう。嘘だ。私は嘘をついた。認めたくないだけで、口にしたらもう歯止めが効かなくなりそうで、京ちゃんにすら本当の気持ちを言えなかった。きっとそれを彼女は見抜いていたんだ。
私は……。
じっと話に耳を傾けていた先輩が、ゆっくりと口を開く。



