それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「それなら、俺が言い出したことだって言いに行く。俺が悪いんだし、ふたりがケンカすることないだろ」
「ちっ違う! 違います!」

楓先輩の言いたいことを理解した瞬間、私は首がちぎれるほど横に振った。

先輩はなにも悪くない。むしろ、ふたりの恋を応援する手助けをしようと提案してくれたんだから感謝しかない。テスト勉強を一緒にする話をした時の京ちゃんの声は、間違いなく嬉しそうだった。

「そうじゃなくて……」
「うん」

口下手な私が話し出すのを、先輩は辛抱強く待ってくれた。

「……私がうまく話せなかったから、京ちゃんを怒らせちゃったんです」
「初めて菜々と話した俺でも、菜々が友達思いな子だって伝わったけど。怒らせる要素なんてある?」

慰めているというより、本気でそう思って言っているんだと感じた。

「あの、今も……うまく話せないかも、しれないんですけど」
「うん。ゆっくりでいい」