それでもキミと、愛にならない恋をしたい


わけもわからないまま約束をして電話を切り、十五分後。

楓先輩は本当に私の家の近くの公園までやってきた。

白いTシャツにデニムというシンプルな格好がモデルのように様になっていて、初めて見る私服姿にドキドキする。

鮮やかなブルーのクロスバイクは驚くほどサドルが高くて、先輩って身長の半分は脚なのかもと、どうでもいいことを考えた。

「悪い、待たせた?」
「いえ、全然。あの、どうして……」

長い脚を回して自転車から下りる先輩に問いかける。

電話をくれたのはどうして? わざわざ家の近くまで来てくれたのは、どうして?

「俺のせいかなって、気になって」
「え?」
「テスト勉強、一緒にっていうの。もしかして余計なことするなって怒られた?」

楓先輩は眉を下げて申し訳なさそうな顔をする。