それでもキミと、愛にならない恋をしたい


父親の再婚を不満に思っていて、家にいるのが息苦しいだなんて、友達になって半年の相手からそんな重たい話をされれば、きっと困らせてしまうに違いない。父子家庭だと話すと、みんなどう返事をしていいのかわからないという顔をするのは、もう何度も経験済みだ。

それに大好きな京ちゃんだけど、父親の再婚の話をして、仮に「お父さんが幸せならいいんじゃない?」なんて明るく言われてしまったらと思うと怖くて話せない。

悲劇のヒロインぶる気はないけど、そんな簡単なことじゃない。きっと私の気持ちは伝わらない。

自分ですら、どうしたらいいのかわからないんだから。

『……私には、言いたくない?』
「えっ?」

まさか私の心の声が電話越しに伝わっているはずはないのに、京ちゃんの硬い声にドキッとした。

『菜々はなんていうか、秘密主義だよね。私は日野先輩を好きになった時、いちばんに菜々に話した。初恋だったし、どうしたらいいかわかんなくて、でも菜々なら笑わないで聞いてくれるって思ったから』
「京ちゃん……」
『でも、菜々は違うの? それとも、本当に佐々木先輩のことを好きっていうのは私の勘違い?』