それでもキミと、愛にならない恋をしたい


彼女に心の中で謝りながら声の主の方に向き直ると、そこにはあの佐々木先輩が立っている。

え、え? なんで?

先輩だって八組なんだから、ここにいてもおかしくない。でもずっと遠くで眺めていただけの先輩が突然目の前に現れ、頭の中が真っ白になってしまった。

目の前の佐々木先輩はいつものポーカーフェイスで私たちを見下ろしている。

「あ、君……」

先輩は私を見るなり、驚いたように手を口元に持っていく。

なに? なんでこんなに見られてるの?

もしかして、あの事故のことを覚えていて、迷惑をかけたのが私だと気付いた?

それとも図書室で毎回じっと観察してるのがバレてたとか? 知らないふりをしてたけど、実はずっと気付いてた?

心臓が嫌な音を立てて徐々に速くリズムを刻んでいく。