「そういえば、三者面談どうだった?」
「もう聞いてよー! お母さんが来たからその場はなんとかなったけど、帰ってからが最悪! やっぱりお父さんに反対された。大学ぐらい出ろって。美容師っていう夢が固まってるのに大学に行くなんてお金も時間も無駄なのにさ」

 京ちゃんが口をへの字にして文句を言う。そんな彼女の頭を、日野先輩がぽんぽんとなだめるように撫でた。

「まぁまぁ。親父さんだって京香のためを思って言ってるんじゃない?」
「絶対違う! 美容師をチャラチャラした職業だって言ってたもん。ほんと頑固おやじ!」

 京ちゃんのお父さんに会ったことはないけれど、彼女いわく『絵に書いたような生真面目人間』らしい。美容専門学校に行きたいと話したら頭ごなしに反対されたそうで、京ちゃんの夢や手先の器用さを知っている私からしたら、とてももったいないと思う。

「京ちゃんが誰かのヘアアレンジをしてるところ、お父さんに見てもらえないかな。そしたらきっと、京ちゃんの才能とか凄さをわかってもらえるのに」

 前に一度ヘアアレンジをしてもらった時、本物の美容師さんのように手際よく可愛くしてくれて、まるで魔法だと思った。それを京ちゃんのお父さんにも見てもらいたい。