それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「だけど俺が初めて自分から触れたいと思ったのは、守りたいと思ったのは、菜々だけだ。この力のせいで嫌な思いをさせることもあるかもしれない。でも、菜々を諦めたくない。菜々が好きだ」

 繋いだ手がぐっと強く握られる。

 ストレートに気持ちが伝わってくる真剣な告白に、目頭が熱くなった。

 私も、その思いに応えたい。

「私も……楓先輩が好きです」

 緊張と恥ずかしさで声が震えた。だけど伝えなくては。こんな風に真っ直ぐに私を想ってくれる人には、きっと二度と出会えない。

「散々逃げておいて、今さらって思われるかもしれないけど……先輩が好きです」
「菜々……」
「先輩に忘れられない人がいるって知って、お母さんを忘れていないのに真央さんと再婚したお父さんと重なったんです」