それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「もう一回ちゃんと見よう。私バスケ見るから、京ちゃんはサッカーね」
「オッケー」

右端から順番に見ていくけれど、やっぱり〝日野和樹〟の名前はない。

「えぇー、なんでぇ?」

せっかく緊張しながら二年生の教室を覗きに来たというのに、お目当ての情報を得られず、京ちゃんは項垂れている。

すると、後ろから低く芯のある声がした。

「うちのクラスになにか用事?」
「ひゃっ」

突然低い声に話しかけられ、私は心臓が飛び出そうなほど驚いた。

別に他学年の教室に来てはいけないというルールはないし、いけないことをしているわけでもないのに、こっそり他のクラスの黒板を盗み見しているせいか、過剰なほど驚いて反応してしまった。

ビクッと肩が大げさなほど跳ね、息をのんだ音すら大きく響く。京ちゃんは私の反応に驚いたらしく、肩をぺしっとたたかれた。