「お母さんの手紙を読んで、拗らせていた考え方を改めました。楓先輩、言ってくれましたよね。『菜々のお母さんは、お父さんの幸せを裏切りだって思うような人なのか?』って」
「いや、あれは……菜々の気持ちも考えずに、無神経だった」
後悔を顔に滲ませる先輩に、私は笑顔で首を横に振った。
「いえ、いいんです。その通りでした。お母さんは、もしお父さんが再婚するのなら応援してあげてって、手紙に書いていたんです」
そう伝えると、先輩は驚いた顔をしている。
お父さんと土手で交わした会話や、お母さんからの手紙の内容を先輩に話した。そうすることで、より両親の、特にお母さんの思いを客観的に見つめられた気がする。
『恋をすると、彼とずっと一緒にいたいよね。ふたりで幸せになりたいって思う。
その恋が愛になるとね、ただその人の幸せを願えるようになる。自分よりも、相手が幸せになってくれたらいいなって感じるの』



