それでもキミと、愛にならない恋をしたい


なんだか楽しくなってきた。放課後が待ち遠しいなんて、高校に入学して初めてかもしれない。

早速明日から集まろうと話は着地し、各々部活へ行ったり帰りの準備をし始める。

私もいつも通り図書館へ行こうとしたところに、京ちゃんからトントンと肩を叩かれた。

「ねぇ、菜々」
「なに?」

振り返ると、京ちゃんが眉を下げてパンっと顔の前で両手を合わせる。

「お願いっ! 二年八組の教室についてきてほしいの!」
「えっ?」

唐突な願い事に意表を突かれ、反応に困ってしまった。

二年八組といえば、京ちゃんが片思いしている日野先輩のクラスだ。

同じ北校舎ではあるけど、二年生のクラスは一階と二階にあり、八組は二階。私たち一年二組は三階だし、特別教室は南校舎にあるので、一年生が二階に行くことはまずない。