私は慌ててゴンドラに近寄り、スタッフの人の誘導に従って乗り込んだ。いってらっしゃいという声とともに扉が閉められる。ガシャンという音がやけに耳に響いた。
ゴンドラの中は空調が効いているみたいで、暑くも寒くもない。窓際にタッチパネルがついていて、景観に合わせて街をナビゲーションしてくれる機能がついているらしい。
腰を落ち着けて窓の外を眺めたいところだけど、私は立ったまま固まってしまった。
……意外と狭い。
いや、ゴンドラなんだから、このくらいの広さが一般的なのは理解している。むしろ大観覧車と謳うだけあって、広い方だと思う。だけどこれから一周回る十五分の間、楓先輩とこの密室空間にふたりきりだと自覚すると、心臓がバクバクと騒ぎ出す。
「どっち側に座る?」
乗り込んだまま動かない私を不思議そうに見た先輩が、タッチパネルを弄りながら尋ねた。
「あの、じゃあ、こっちに……」



