それでもキミと、愛にならない恋をしたい


 虚を突かれたような先輩に、私は心の中で反論する。

 ゴンドラが何色だろうと楓先輩と一緒に観覧車に乗れるんだから、幸せじゃないはずがないんですよ。

 とはいえ、そのままの気持ちを先輩に伝えるには勇気が足りなさすぎる。私がどう答えようか迷っていると、後方の列からわぁっと歓声が上がった。

 どうやら観覧車のイルミネーションが点灯されたらしい。見上げると、この街のシンボルが眩しいほどに光を放っていた。

「わっ、すごい……!」

 辺りが暗くなり始めたところに、色とりどりの光がキラキラと輝いている。

 くるくると回って流れるように色が変わるイルミネーションは、まるで巨大な万華鏡みたい。真下にいるから首を直角に見上げないといけないけれど、それでも見続けていられるほど綺麗だった。

 そうやってイルミネーションに気を取られていたせいで、自分たちの順番が迫っていることに気付けなかった。

「菜々、次だよ」
「えっ、あ、もう?」