それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「そうですね。観覧車がメインなので、乗らずには帰れません」

 二十分待ちと書かれた看板脇の階段を上り、列の最後尾に並ぶ。ふと、この前調べた時に目に入ったジンクスが浮かんだ。

「何色のゴンドラかな……」
「菜々、紫狙ってる?」

 私の小さな呟きに楓先輩が反応したので、驚いた。

「え、知ってたんですか?」
「ここ調べた時に、チラッと書いてあったから」

 大観覧車のゴンドラは全部で六十個あり、虹色のようなグラデーションになっている。その中でたったひとつだけ紫色のゴンドラがあり、それに乗ると幸せになれると言われているのだ。

「紫に乗りたい?」
「んー、乗れたらラッキーとは思いますけど、狙ってるわけじゃないです」
「そうなの? 女子はこういうの好きだと思ってた」