それでもキミと、愛にならない恋をしたい


「そろそろ時間だし、あれに並ぶか」

 先輩が向けた視線の先を見ると、観覧車が知らせる時刻はもう午後五時を回っている。

 ランチを終えたあとはストリートゾーンに移動して巨大迷路にチャレンジしたり、ゲームコーナーで対決したり、マイナス三十度の世界を体験できる館に入ってみたりと、目一杯楽しんだ。

 途中、アイスを買って食べたり、小腹が空いたとクレープを食べたり、意外と先輩が甘党なことも知った。

 ここに来る前は、一日中一緒にいて話題が尽きてしまわないか心配だった。遊園地の待ち時間に気まずい空気になって、デートが台無しになるなんて話をよく聞くから。

 だけど、そんな心配は杞憂だった。

 お互いの友達の話、先輩の部活のこと、新しくオープンしたスイーツ店の情報など、話は尽きなかった。

 楽しい時間はあっという間で、ずっと時計を見ることなく夕方になった。真っ青だった空はオレンジ色と紫色の二層に染まり、太陽は海の向こう側に隠れようとしている。

 あぁ、一日が終わってしまう。なんだか無性にさみしくて、私は思いっきりはしゃいだ声で答えた。