それでもキミと、愛にならない恋をしたい


 空いているベンチに並んで座り、ふたりの間にトレイを置いた。トレイの上にはホットドッグとドリンクがふたつずつと、大きなポテトがひとつ。

 ニヤけそうになるのを隠すため、私は自分側に置かれたレモンティーを取り、ストローでちびちびと飲んで誤魔化した。

 先輩はなにも気にしていない様子でホットドッグの包み紙を剥いて食べ始める。

「そういえば、橘さんは無事に種目代わってくれる子、見つかったんだな」
「はい。なので午前中はうちのクラスの試合以外はずっとグランドにいる気だって言ってました」
「日野はサッカーも上手いから応援しがいがあるよ、きっと。菜々はバスケだっけ? 球技得意?」
「得意ではないですけど、今放課後にクラスのバスケチームのみんなで練習してるんです。いい感じに団結してるので、うまく勝ち上がれるかもって思ってます」

 京ちゃんはバスケチームからいなくなってしまったけど、率先して練習して盛り上げてくれる美穂ちゃんや沙羅ちゃんのおかげで、かなり士気が上がっている。

「へぇ。見たかったな、菜々がバスケするとこ。俺も今からでもバスケチームにしようかな」
「み、見なくていいです! 上手いわけじゃないですからっ!」
「そんなに拒否んなくてもいいだろ」