「全然。菜々が楽しんでくれるなら、それでいい」
せっかく平常心を取り戻せたところなのに、またこうやってドキドキすることを言われると、どう返していいかわからなくて、私は小さく頷くしかできなかった。
わからないといえば、どうして先輩が私を誘ってくれたのかも聞けていない。それも四人じゃなく、ふたりで。
どうして私を誘ってくれたのか、その理由を考えれば考えるほど、心が勝手に期待してしまう。
私を見て優しく微笑むその瞳の奥に、後輩に対する思い以上のものが宿っているんじゃないかと探してしまう。
だけどその自惚れが勘違いじゃないという保証もない。
先輩になにか言われたわけじゃないし、手を繋いだりするわけでもない。
だから私からは聞けないまま。せめて今日だけは、甘い期待をしたまま楽しみたい。



