吉田家、居間。
 畳敷きで広かった。奥には掛け軸があった。
 ちゃぶ台があり、座布団があった。
 「わああああああい」
 と、トオルはいって、畳に寝転がった。
 まことは座布団に座った。
 まことはうつむいていた。
 トオルはたった。細い目でまことを見た。
 「まこと、何かあった」
 「・・・・・・」
 「なんかあったって顔に書いてあるぜ」
 「さっきも松陰に言われた。で、コンパクトで顔みたら、表情のことをいってるんだって松陰に言われた」
 「はははははは」
 トオルは笑った。
 まことも笑った。