あたしにとって玲は みんなのなかで1番遠い存在であり 1番よく分からない人物だった。 掴みどころはないし、掴ませようともさせてくれない。 ましてや一度たりとも、あたしにむけて特別な感情なんて見せたことなんてないのに。 むしろ、あたしたちは他の誰よりも遠い場所にいたのだ。 あたしはそれを心のどこかで玲はあたしのことをまだ本当に受け入れてはいないのかもしれないとギスギスした想いを抱いていた。 そんな曇った気持ちから二人のあいだにはいつも微妙な距離があった。 それなのに、