しかし、玲は冷めた目を和らげようとはしなかった。 「帰れ。瞳のことも、どのみちお前には関係ないんだ」 「……帰らない」 「帰れよ」 「いやだよ!どうして?!どうして玲はそうやってあたしを此処から追い出そうとするの?!あたしのこと邪魔だった?!あたしは……ッ」 涙ながらに訴えた言葉の続きが言えなくなった。 玲が突然、あたしを抱きしめたから。