自分の存在なんか、とるにたらないものだと気付いた瞬間 あたしは全ての意味を失った。 そんなとき、慧斗があたしに"またおいで"と言ってくれた。 まるで霧がはれたみたいに 世界がパッと色を変えて さっきまで泥沼だった地面に虹色の光が射したのが見えた。 あのとき、慧斗があたしを追い返していたら あたしは今頃どこにいるのか想像がつかない。 あの日、あの時、あの瞬間 あのほんの一瞬の時間が、あたしの命を繋いでくれたのだ。 慧斗はあのとき、いったい何を抱えながら あたしに笑ってくれたの?