SENTIMENTALISM


静寂がひろがる。

残されたあたしと玲は、することもなく
否、なにかをする気になれず
ぼんやりとその場に立ち尽くしていた。


慧斗が出ていった後のドアを眺めたまま、あたしはゆっくり口を開いた。

「……あんな慧斗始めてみた。何にも捕われない何にも動かされないやつだって思ってたけど、慧斗も怒ったりするんだね……」

玲は黙っていた。

また静寂がひろがり、まるで世界の音が消えてしまったみたいだった。


そして玲は何か意を決したかのように、青い瞳であたしを真っすぐ見つめて、一言言い放った。


「……この場所はお前がいるべき場所じゃない」