「あ、」 彼は何かを思い出したように呟くと、ポケットの中からシルバーの指輪を取り出した。 「土産」 そして、傍に座っているあたしの頭の上に乗っける。 あたしは頭の上に乗ったシルバーの指輪を掌に乗せてみてマジマジと見つめた。 「……これ今日女の人と買ったペアリングじゃないの?」 「あったりー」 「……」 呆れて返す言葉もなく黙っていると 彼はソファーの上で規則正しい寝息をたてていた。 その間、5秒。 ……瞬殺だ。