SENTIMENTALISM



すると隣にいたもう一人が急に恐い顔をして言う。

「あの子やめた方がいいよ。良い噂きかないよ。男漁り激しいらしいし、身につけてる物ほとんど男に買って貰ったやつだって」

「第一、普通クラスなんて頭悪いじゃん」


そのとき、ちょうど梨沙が向こうから走ってきた。

「りくー!ごめーん!HRが長引いてさぁ!」


梨沙の姿をみると彼女たちは顔をあからさまに歪ませて、あたしに別れを告げ、その場から去っていた。



「何?あの子ら?同じクラスの子?何かあったの?」

梨沙が不思議そうに彼女たちの後ろ姿を眺める。

「ううん。気にしないでいいよ。たいしたことじゃないから」

「そっか!じゃあ買い物いこ!」

梨沙はまるであたしに彼氏のように腕を絡ませて引っ張りながら校門を出た。