飲み終わったコップをあたしに手渡すとき綾子さんはあたしを見て楽しそうに笑った。 「りく、大分この部屋に馴染んできたね。最初は借りてきたネコみたいに大人しくて、警戒心も人一倍強かった」 確かに、まだ来初めて間もない頃は緊張の糸が張り詰めていてすぐにでも切れそうだったのに、今ではその糸はどこかに消えてしまった。 「もうりくがきて二ヶ月になるんだね!」 梨紗の言葉に慧斗が驚いた。 「もうそんな経つっけ?うわー時間の流れって早ェな!」