すると慧斗がプッと吹き出す。 「別にそんな固くなんなくていいよ。せっかく来たんだしリラックスしていけよ。この家、ほとんどたまり場状態だしさ」 慧斗の柔らかい笑顔に、あたしの緊張はほんの少し和らいだ。 「りく気をつけてね!慧斗はこの笑顔で今まで散々女の子を騙してきたんだから!」 「別に騙してねぇよ。向こうだって楽しんでるんだし。ギブアンドテイクだって」 そんな二人が笑う姿をあたしは黙って隣で見ていた。