彼、白河慧斗の瞳があたしを捕らえた。
思わず身体が強張る。
「あれ?珍しいじゃん。梨紗が友達連れてくるなんて。てゆうかお前、友達いたんだな」
慧斗は悪戯っぽく笑った。
見た目は確かに19歳の青年なのに
笑うと、まだ幼さが残っている。
「なにそれ超失礼!」
頬をふくらます梨紗を無視して、慧斗はソファーから起き上がり、あたしの前に来て、上から下まで何かを吟味するように眺めた。
「なんか、お前とタイプ違うくね?」
「でしょー!?りくっていうの!りくは進学クラスに通ってんだよ!」
梨紗が肩をよせて、あたしが口を開くよりも早くあたしの自己紹介をする。
「……こんにちは」
やっとのことで出た声は緊張で、とても震えていた。



