「綾子さんが梨紗に体を売ることを教えたんですか?」 心臓がバクバクいっていることを、どうしても悟られたくなくて冷静な顔をして尋ねた。 だけど、緊張でこんなに高鳴る鼓動の音は少し離れたくらいの距離じゃ届いてしまうんじゃないだろうか。 あたしは大人の女の人である綾子さんに憧れていて、いつも憧憬の距離の一歩下がって見ていたけれど 今日は対等で話してもらいたい。 だからこそあたしは必死になって不安の色を隠した。