「あぁー、今日も疲れた……」

長時間パソコンやタブレットを使用しているため目の奥が熱く、視察や挨拶回りに同行するため足が棒になりパンパンにむくんでいる。

亮介の抱えている案件や立場の責任の重さを考えれば、秘書である凛もミスは許されず、常に神経を張り巡らせているため心身共に疲労が蓄積されていく。

家に帰り、二階の自室へたどり着くと扉を閉めるのすら億劫で、そのままベッドへ倒れ込んだ。

その様子を見ていた高校生の妹たちが部屋のドアから覗き込み、心配そうに声をかけてくる。

「おかえり、凛ちゃん。大丈夫?」
「もう十時だよ。今日は夜ご飯食べた?」
「ただいま。今日はお昼ご飯が遅かったから大丈夫」
「「それ大丈夫って言わないから」」

声を揃えて指摘するのは、一卵性の双子でそっくりな顔立ちの寧々と美々。