捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした


「せっかく選んでもらったドレスが、皺に……」
「そうだな、脱ごうか」

言うが早いか、亮介は凛の身体をくるりと反転させ、背中のファスナーを下ろす。その音がやけに大きく聞こえ、恥ずかしさに肌が桜色へと染まっていく。

ドレスを取り払われてしまえば、身を守るものはストラップレスのブラとショーツしかない。

心許なさに身を縮こまらせていると、背中のホックを外し、そこに熱い唇が寄せられた。

「ひゃっ」
「凛は背中も綺麗だ」

骨をなぞるように舌が這わされ、ぞくりと身体が震える。縋るものほしさにソファを握ろうとして、ここが超高級ホテルのスイートルームだということに思い至った。

「りょ、亮介、さん……っ」
「なに?」
「ここじゃダメです」

万が一にでも傷つけたり汚してしまったらと思うと、とてもじゃないが集中できそうにない。

そんな凛の思考を読んだのか、亮介は「わかった」と頷き、凛を抱き上げて寝室へ向かう。