「でも月曜日に出社した時の周りの反応が少し怖いです。スパイ疑惑の次は副社長の婚約者だなんて、随分お騒がせな秘書になってしまいました」
わざとおどけて笑ってみせると、亮介は真剣な表情で口を開いた。
「どうしても君が俺のものだと周知したかった。だが、公私の区別はしっかりつける。誰になにを言わせるつもりもない。凛も堂々としていればいい」
「はい」
「それでも、もし心ない言葉を耳にしたら、すぐに俺に言うように。君は辛くてもすぐに我慢してしまうからな」
凛が頷くと、亮介はホッと安心した表情を見せた。頭をぽんぽんと撫でられ、そのまま耳を擽りながら頬に滑らされる。
大きな温かい手で頬を包んだ彼にまじまじと顔を見られ、凛は首をかしげた。
「な、なんでしょうか?」
「今日のメイクはオハイアリイか」
「もちろんです」
彼の言う通り、今日は一足早く手に入れたオハイアリイのコスメでフルメイクを施している。
パーティー会場やドレスの豪華さに負けないようパールやグリッターといったキラキラしたアイシャドウを用いて、悩みながらも晴れの日に相応しく華やかに仕上げた。



