「俺が心を動かされた女性は君しかいない。必ず幸せにすると誓う。どうか俺と、生涯をともに過ごしてほしい」
シャンデリアの光を受けて眩いほど輝くエンゲージリングはミル打ちを丁寧に加工したクラシックなデザインで、中央のダイヤモンドは溢れんばかりに大きい。
この指輪を購入した時には、まさかこんな風に気持ちが通じ合うとは思ってもみなかった。
一方通行だと思っていたこの恋は、実は凛が自覚するもっと以前から、亮介が凛を見初める形で始まっていたのだ。
こうして改めて指輪を携えてプロポーズをしてくれた亮介の気持ちが嬉しくて、凛の瞳にじわりと涙が滲む。
「私でよろしければ、喜んで」
「ありがとう」
指輪が凛の左手薬指に滑らされ、ぴったりと収まる。
それに合わせて、水を打ったように静まり返っていた会場は大きな拍手と歓声に包まれたのだった。



