こうなる事は初めから決まってた

私の背後から、弱々しい声が聞こえる。

振り返ると、そこにはかなり着込んだ灰色のスウェットに夏には珍しいマスク。

髪の毛もボサボサ…。

解熱剤が欲しいってことは、この人が熱なのだろう。

かなり重症そうだ。

一人暮らしなのかな…。

って、そうじゃなくて案内しないとっ!!

「解熱剤ですねっ!では、こちら案内…」

「…菜々花?」

さっきの弱々しい声とは別にどこか、聞いたことのある声。

そして、大好きな人の声。

優しい声。