どうして…私はこんなにもバカな女なんだろう。 婚約者のいるタクマを、いつまで心に留めておくの? 豊さん…。 すごく傷付けた。 私が弱いせいで…。 「…っ!豊さん…っ。ごめ…なさい…。」 私は、ホテルを出た前の道で力なくしゃがみ込んでしまった。 涙が止まらない。 自分の諦めの悪さに嫌気がさす。 すぐにタクシーを拾って家へ帰る途中、突然携帯が鳴った。 誰…――? 私はカバンから携帯を取り出した。