ごめん、キミが好き《短編・完結》




その後、おじさんがどんな気持ちでいたかなんて分かんない。



気が付いたら、私はタクマを追い掛けて家を飛び出していた。




「タクマ!!」




もちろんすぐに追い付いた。



私の声に、タクマがすぐに立ち止まったから。






「ユイ―…ユイは知ってたの?父さんが俺を連れて行こうとしてたのを。」






「うん。」




「だから、俺の事…」


「それは違うよ。タクマ、いい機会だと思う。タクマも私を諦めたんだし、私達は離れた方がいいの。」




「…………。」





「タクマ?」





「俺は……どうしたらいいか分からないよ。」



そんな切ない目で見ないで。決心が揺らぐから。



行かないで


側にいて


ずっと


ずっと



好きでいて。





私はタクマの目を見て笑って見せた。



「おじさんは、本当にタクマを愛してるよ?」




「それは分かってる。でも勝手すぎる。」



「おじさんも、一人で寂しかったと思う。でも、もう一度タクマと暮らしたい一心で頑張ってきたんだよ。」





「………。」





「今のタクマなら、おじさんをちゃんと支えられるよきっと。家族は一緒にいなきゃダメだよ?」